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ゼロ・グラビティの嘘でNASAが激怒した理由

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メディカル・エンジニアであるライアン・ストーン博士は、ベテラン宇宙飛行士マット・コワルスキーのサ ポートのもとに、地球の上空60万メートルの無重力空間<ゼロ・グラビティ>で、データ通信システムの故障の原因を探っていた。今後起こる最悪な事態を知る由もなく。

最後のミッションになるコワルスキーは、いつものようにヒューストンとの通信でジョークを交わし、宇宙遊泳を楽しんでいた。その時突如、ヒューストンから「作業中止!至急シャトル へ戻り、地球へ帰還しろ!」という緊迫した命令が届いた。

彼らの元に危険が迫っていた。破壊された人工衛星の破片<スペース・デブリ>が別の衛星に衝突して新たなデブリが発生し、彼らのいる方向へ猛烈な速度で迫っているという知らせだった。軌道が予測不能になったデブリは、さらに連鎖反応で衛星が次々と破壊され、様々なシステムが壊滅。遂にヒューストンとの通信も途絶えてしまう。

次の瞬間!シャトルに戻ろうとするふたりに、猛速度のデブリが襲いかかり、シャトルから切り離されたアームとともに、一瞬にして宇宙空間へ放り出されるストーン。緊迫し、一刻の猶予もない危険な時間も、宇宙空間では空気がないため音もなく、静かな時間が過ぎていく。

ベルトを外して何とかアームから離れるが、激しく回転しながら漆黒の闇へと消えていく。果たしてクルーは生きて地球へ帰還できるのか?

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ゼロ・グラビティにNASAが大激怒!

ぬぉーーーーー!!!!宇宙こわいパラー!!!真っ暗闇に吸い込まれていくパラー!!!地球の重力に乾杯パラー!!!

小さい頃に宇宙飛行士になりたいと3秒ぐらい夢見ていたけど、ならなくてよかったわ。宇宙は恐ろしすぎる・・・。映像がすごくて・・・リアルで・・・あそこまで恐怖の世界だったなんて・・・。

宇宙怖すぎるよ・・・。グルグル回転するし地球がどんどん小さくなっていくし、宇宙のゴミは何回も襲ってくるし、ほんと・・・ほんと恐怖だよ・・・。

みんなどうしたんや?宇宙だのゴミだの地球だの。えらい怖がってるやん。銀河鉄道999の話かいな?

映画「ゼロ・グラビティ」の話をしているようだ。確かに宇宙はロマンで溢れているが、怖い所でもある。この映画をみて宇宙にのリアルを疑似体験して恐怖を感じた人が世界中で続出したんだ。

っと言っても、宇宙の恐怖に対してのリアルであって、現実の宇宙を再現したリアルではない。アメリカの宇宙局NASAからも現実からかけ離れすぎていると怒られたぐらいだ。


ゼロ・グラビティに対するNASAの反応

映画ゼロ・グラビティは、2014年3月2日に、監督賞や視覚効果賞、撮影賞などアカデミー賞の7部門を受賞して話題になりました。この映画は宇宙の描写をリアルに表現して、高い評価を得ています。

映画「ゼロ・グラビティ」の撮影について、NASAは「協力拒否」をしました。 プロデューサー、デヴィッド・ハイマン氏はロサンゼルス・タイムズ紙に「迫真性を得ることは非常に重要だった。 われわれは(観客に)宇宙にいるような感覚を与えたかったし、視覚的にも感覚的にも非常にリアルなものを追究するのが監督のアプローチの基本だった」とコメントしています。

一方で、「この作品はフィクションで、作られた物語であり、ドキュメンタリーではない」と断言しています。そして、「100%の現実(Real)ではなく、真実(Truthful)であることが重要だった」と訴えているのです。制作側も“作り物”と認識があったようです。

NASAは、「事実と違うのに、あんなリアルに見せられたらそう見えてしまう」と激怒してしまったのです。「おむつ着用が真実だ」とおむつ以外はあり得ないと言われる始末。確かに映画やアニメは空想の世界が多いものの、その世界を本物だと感じ取ってしまう人もいます。

CGのリアルさも増して、現実世界と区別をつけにくい時代のため、NASA的には宇宙を正しい知識で知って欲しかったのかもしれません。


たくさんの人が映画に興味を持ってもらうためにフィクションが多いの。

そうだったんだ。わたし宇宙に恐怖心しか持てなくなっていたよ。

映画は商売や!客を呼ばないかんから、大げさに表現することなんてしょっちゅーあるで!ドキュメンタリー映画以外はほぼフィクションや。

本物の宇宙となにが違うパラ?

実際の宇宙と照らしあわせて、気になる部分を見てみよう。


ゼロ・グラビティの嘘

軌道傾斜角の疑問

宇宙船のエンジンを噴射させて軌道を変える場合、軌道傾斜角を変えるには非常に高いエネルギーが必要です。軌道傾斜角が異なる軌道へ移動させる場合は、他の宇宙船を打ち上げ直すのが技術者の中では常識のようです。

スペースシャトルが無事でも、そのエンジンを使ってハッブル宇宙望遠鏡(HST)の軌道からISS軌道へ向かうとすると燃料が全く足りないので、途中で燃料不足になります。

スペースシャトルがデブリに当たりやすい動き方

ゼロ・グラビティでは、スペースシャトルの機首方向を進行方向に向けて飛行しています。映像美溢れる見せ方を求める上では仕方がありませんが、大気のない宇宙では例え後ろ向きの姿勢でも進行方向へ飛行します。

進行方向に窓や翼前縁の耐熱材を向けると、微細なデブリが衝突するリスクが増大!超高速のデブリがコックピットの窓を突き破ると大ダメージを受けます。熱による耐久などの条件がない場合は、本来は尾部を進行方向に向けて飛行するのが正しい向きになります。

SAFERの装着なしでの船外活動は違反

船外活動中に誤って宇宙船から弾き飛ばされてしまう場合に備えて、自力で戻ることができるように、NASAの宇宙服を使用する船外活動ではセルフレスキュー用の推進装置SAFER(Simplified Aid For EVA Rescue)と呼ばれるものを装着することが義務づけられています。

窒素ガスにより、1回~2回のチャンスで帰還のチャンスが与えられます。ライアン・ストーン博士の宇宙服には装着されていません。 画像

ソユーズ宇宙船にはサイドハッチがない

ソユーズ宇宙船の帰還モジュールにはサイドハッチはありません。映画ではロシアの地上訓練用シミュレータの構造を真似して作ったようです。宇宙では利便性がない部分のハッチになるため、実機には搭載していません。

船外のエアロックハッチは注意が必要

ライアン・ストーン博士が別の宇宙船に入ろうとしてハッチを開けると吹き飛ばされそうになりました。このようにならないためには、船外ハッチを開ける前に必ず内部の減圧操作が必要になります。

実際の宇宙船では誤ってハッチが開いてしまい急減圧が起きて不測の事態に陥らないように、扉はすべて内開きの設計になっているのです。内開きにすることで、たとえ誤ってハッチを開く操作をした場合も、気圧差で扉は絶対に人力では開けることができません。

片手でレールやロープをつかむのは至難の業

ハッチから吹き飛ばされそうになったり、ISSに乗り移ろうとする時に片手でつかまるシーンがあります。宇宙服のグローブは圧力差のため風船のように膨らんでいるため、握力が相当ないと難しいことです。

船外活動を終えた宇宙飛行士は疲れて握力がなくなるほど手が疲労しているため片手でレール(船外で飛行士が移動を安全に行えるようにつかめる手すり)を掴むのは至難の業になります。

宇宙服の冷却下着なしで船外活動

ライアン・ストーン博士が宇宙服を脱ぐシーンがありますが、通常は冷却下着を装着していないと暑さを感じたり、肌が宇宙服の内部で挟まれてしまう可能性があります。

ソユーズ宇宙船が宇宙空間で誤ってもパラシュートを開くことはない

モジュールを分離するまでは安全ロックがかかっているのが妥当な設計です。しかしデブリ衝突の衝撃でISSに係留していたソユーズ宇宙船の着陸用パラシュートが開いていました。通常の設計では、モジュールが分離するまでは安全のために動作しないように設計されています。

また、ソユーズ宇宙船の外で船外活動(EVA)を行いましたが、ソユーズ宇宙船内には宇宙服や船外活動工具は搭載していないため、パラシュートの固定を外す工具をどこから見つけてきたのか疑問点が浮かびます。

消火器で軌道を変えるのは不可能

ディズニー映画の「ウォーリー」でもあるように、よく消火器などを利用して宇宙空間を移動しますが、あれは無理です。実際のISSの消火器は反動力が生じないようにノズルそのものに工夫されているため、移動目的に使うことはできません。

ISSには米と露で異なる消火器がありますが、ロシア製のものは水(液体)を利用する消火器もありますが、真空中で噴射をすると、すぐに水が凍結してしまうのでは?ノズルに何もしていない二酸化炭素の米国製なら希望が持てますが、高圧ガスを充填しているわけではないため、動力するほどの威力は期待できないでしょう。

火花から起こる火災で、ISS内爆発は考えられない。

デブリ衝突で大規模な動力燃料漏れなどが起きない限り絶対に起こらないこと。有人宇宙機では火災や爆発が起きないように念入りに設計されています。宇宙に持っていくものは全て可燃性試験を受けるため、激しく燃えるものはないと考えられます。

ただ、軌道制御用に使うハイパーゴリック推進薬がデブリの衝突により大量に漏れると映画のような火災もありえます。しかし、ロシア側ではなく、日本の「きぼう」モジュール側から火災が起きています。

大気圏に突入しかけている宇宙ステーションから帰還は難しい

宇宙船を逆噴射させなくても大気圏に突入してしまうような高度で安全に帰還するのは難しいです。これは映画なので仕方がありません。


激怒してしまったNASAは、「オデッセイ」という映画を後に生み出している。この映画はNASAの最新技術や近い将来確実にできるものだけを集めた“リアル”に近い映画だ。

やっぱり宇宙って怖いじゃない・・・。

映画だから映画として見たらええんちゃうん?ちゅーことやな。素直に楽しんで見ることが大事や。

他の惑星には行ってみたいパラ。地球から惑星に直接移動できる“ワープ”技術に期待パラ。